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吉田松陰と後藤新平と小沢一郎 [政治・雑感なぞ]

司馬遼太郎さんのはなしによると、「江戸期の侍は、・・・非常に清らか」であったという。

公私をわきまえないことを理由に、吉田松陰は半殺しの目にあわされたのだという。

読書の際に、虫にたかられて顔を掻いたことが、叔父の逆鱗に触れたのだ。

本を読むことは「おおやけ」であり、痒いというのでホッペタを掻くのは「わたくし」ごとであり、読書中にホッペタを掻くのは「公私混同」というのが叔父の理屈であったらしい。

http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2007-04-23

当方も、本を粗末にすることへの抵抗感が、体のなかに植え込まれた感覚として、あるにはある。

しかしそれでも、広辞苑を枕にすることなどはモンダイとしない。

だから、司馬さんの話を聞いても、「ホントかね・・」という思いがあった。


ところが、最近、「やはり本当なのだろうな」と思うようになった。

鶴見俊輔さんの話を聞いて、だ。母親との思い出を、鶴見さんはNHKの番組のなかで話していた。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/update/2009/0412.html

鶴見さんの母親は岩手県水沢出身の偉大な政治家、後藤新平の娘。

つまり、鶴見さんは、後藤新平の孫にあたる。

(以下は、下記DVD中の談話から)

**************

0歳から5歳ぐらいまでに人間のやれる悪いことって知れてるでしょ。たとえば、昼間ゴーフルって菓子をもらったね。あの菓子の寿命はながいね。今もあるでしょ。ゴーフル見れば思い出すんだ。

で、わたしは、(翌)朝暗いうちに起きて「あ、ゴーフルがあった」と思って、足音を忍ばせて下まで降りて行って、(棚の)上の方にあるからいろいろ椅子を組み合わせて、自分で取って、開けてゴーフルを食ってたんだよ。

そうしたら、おふくろに捕まっちゃったんだよ。

おふくろは「ご先祖様に申し訳ない」って言うんだよ。

「あなたを殺してわたしも死にます」って・・、

それオドカシじゃないんだよ。声涙ともにくだってんだ。こう体が震えてんだよ。3歳児でも本気だってことがわかんだよ。殺されるかもしれない・・・


「でかいうち(大きい家)に生まれた子は必ず悪人になる」って思想を(母親は)持ってた。考えてみると、おふくろの親父(後藤新平)のなかに分身として幕末からずっとあったんじゃないかと思うんだ。

彼は決してワイロを取らなかった。カネも貯めなかった。・・・

**************

「政治とカネ」の渦中にある小沢さんが、岩手県出身であるように聞いていたので調べてみたら、小沢さんの父親:小沢佐重喜は後藤新平と同じ水沢(現奥州市)の出身であるという。

小沢さんの出所不明のように思えるカネについて、後藤新平が生きていたらナント言うだろう。

江戸時代の清らかな侍たちの目から見て、どのように映るだろう。


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