SSブログ

『中傷』の責任を問われないために:短大生殺害事件から [ニュース・世相]

毎日新聞『記者の目』というコラムに

*中傷目立った短大生殺害事件

*独り歩きした「虚偽情報」

*ネットで増幅、偏見残す

という見出しで記事が(2/22付けp4)掲載された。

 

渋谷の歯科医師宅で起きた兄が妹を殺害するという殺人事件。

週刊誌上で、アクマデモ「うわさ」として報じられた「遺体を食べた、頭部を抱いて寝た」といった猟奇的な性質のことがらが、ブログ上で引用され「伝言ゲーム」のように広がり、既成事実化したことが記されている。

しかし、東京地検は、今月5日、妹殺害の兄を「殺人と死体損壊」の罪で起訴した際、そのような週刊誌報道などについて「はっきり言って、名誉毀損のたぐい」と全面否定したということだ。

加えて

「従来ではこういうことは言いませんが、遺族の方々があまりにかわいそうでいたたまれない。だから、遺族の心情を踏まえて申し上げる」と、地検幹部は、記者たちに、言ったという。

 

記者(社会部:佐藤賢二郎氏)は、被害者とその家族への配慮から、記事を書いている。

「私は、亡くなって反論できない亜澄さんの代わりに、彼女が残した言葉を聞きたいと思った。『ごう慢で恩知らず』という勇貴被告の言葉からは、3浪中の次兄を見下す身勝手な妹像しか浮かばない。本当の姿を追いたかった。」

そして、過去の被害者家族の言葉を引用する。

’99年、桶川ストーカー事件で娘:詩織さんを殺害された被害者の母親:京子さんは、今回の事件の報道について

「亜澄さんは 『違う、違う』 と叫んでいると思います。」

 

詩織さんも、報道をとおし「 ブランド好き、遊び好き 」などのイメージを作られ、中には、被害者に責任があるかのような報道もあったという。

 

さらに、京子さんは言う。

「後で、どれだけ事実が明らかになっても、一度植え付けられた偏見は決して消えません」

 

*****     *****     *****

江戸の瓦板売りの時代から、世間の知りたいことは、事実というよりオモシロイ話題で、スキャンダラスなネタほど、売れに売れまくったことだろう。

ヒマをもて余している「御隠居」は、閑暇を埋める話題があればソレでよかったというところもあろうし、ソレを「与太郎」が聞きかじっては喜んで他にシャベルという連携があったようにも思う。

江戸時代の瓦版や落語の延長で今日のマスコミ・ネット社会を思うなら、「まあコンナ程度のものだろう・・」と思いもするが、自分がそのはなしのネタとなり犠牲となることを思うと、「オソロシイ」の一語、である。

「自分がして欲しいように人にもしなさい」という黄金律からおして考えるに、単なる「うわさ」やあやしげな報道を、ネット上で無責任に転送・掲載し、あやしげな情報に掉さし、尾ひれをつけて、他の人を傷つけることのないように、大いに自戒したいものだと思う。


nice!(1)  コメント(2) 
共通テーマ:ニュース

nice! 1

コメント 2

Santa

この時代勝手に人のことをあれこれ言っては、
さらにいろいろと付け加える。
本当のことなど何も知らずに。
周りの言葉に惑わされないよう真実を見る目を持ちたい。
by Santa (2007-02-23 02:19) 

環虚洞

本当ですね。当方も、今回の「コラム」を読んで、報道等から形づくられてきたであろう「次兄を見下す身勝手な妹像“しか”浮かばな」くなっている自分にいささかヒヤッとした次第です。「周りの言葉に惑わされない」ようイツモ用心が必要のようです。
by 環虚洞 (2007-02-23 12:06) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。