日本とケルト(地球新世紀) [スピリチュアルな話題]
『地球新世紀』(TBS放映)で、エコロジー問題を解く鍵は、
日本とケルトの自然観であることが強調されていた。
要するに・・・
人間は特別な存在で自然を支配するという考えが文明を滅ぼしてきたが、自然との共生を謳う日本とケルトの自然観は、今日の地球の存亡を救う鍵であるということであった。
丁度、最近、河合隼雄さんの『ケルト巡り 』を読んで、考えるところがあり、考えていたところでもあったので、(新聞の番組案内によるとマヤ文明の崩壊について語られることは知っていたが)番組のなかで、予期していなかったケルトが取上げられ・・・ユングのスカラベを思い出した。いわゆる「シンクロニシティー:共時性」というヤツである。
意味のある偶然の一致ということだが・・・あくまでも私の個人的な問題にすぎない。
しかし、もしかすると、もっと大きな意味をもっているのかもしれない。
以下に河合さんの『ケルト巡り』から、人間と自然との関係について記されてあるところを引用してみよう。
「人間の特徴は、その存在が自然の一部であるにもかかわらず、自然と切れる傾向を持っているところにある。これはとても興味深いことだ。人間のほかに、自然と切れようとする傾きをもつ動物はまずいないだろう(とはいえ、人間のエゴのために自然との接点を否応なく切らされている動物がいることも、また気の毒な事実である)。
人間だけがなぜ自然から切れようとする傾向を持っているのかはわからない。
『思考する』というのはとても不思議な行為で、人間が獲得した特殊技能である。これは、自分というものが世界と別個に存在しているという意識を持つことに起因する。そして、その自分をどうすべきかを考えることを記したのが、神話なのである。すべての神話には、『人間が意識を持つとはどういうことか』が書かれていると言っていい。
動物の世界には、外界を観察したり外敵から身を守るといった意識はあるが、生をまっとうするための大きな『流れ』は決まっている。そこには思考の入り込む余地はない。
たとえば、ハチは見事な巣を作る。女王バチは子どもを産み、働きバチは働く・・・と、それぞれがそれぞれの任務を完璧に遂行している。彼らは太古の昔から同じ営みを繰り返してきた。『なぜ、こういうことをするのか』『これは何のためか』といったことを考えることなく続けてきたからこそ、そのシステムは存続してきたのである。『そもそも私は・・・』などというのは人間だけなのだ。
人間は、はるかムカシから思考し、試行錯誤を繰り返しながら生きてきた。
近代に入ると、人間が自然を支配し操作して、自分の欲することを実現してゆくという傾向が強くなる。それを極限にまで推し進めていった国がアメリカだろう。
アメリカはヨーロッパ的なものがもっとも先鋭的になって現出した、とても合理的な国だ。それを別な表現で極言すれば、人が『土』から切れていったことを意味する(もちろん、それを可能にした資源の存在が大きい)。ここで言う『土』とは、自然のことである。自然に対抗してこれを支配・コントロールし操作することが、極限まで行われているのがアメリカなのだ。
そして、その果てに出てきたのが、一歩間違えば、地球上の文化的差異をなくし、世界を一様化することになるグローバリゼーションの問題である。この大きな流れのなかで私たちはどう生きるべきかを考えるうえで、教化する力の強いキリスト教文化の波に洗われながらもかろうじて生き残った『ケルト的なもの』が、大きな参考になると考えられる。」
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今日『地球新世紀』を見た方は、番組のなかで取上げられたことと、以上の引用とがたいへん共通していることを感じられることであろうと思う。
『地球新世紀』の副題として《月尾嘉男の文明大冒険》となっている。東大名誉教授月尾さんも、河合さんと同じような問題意識を、人間と自然とに対してもっているということなのであろう。そして、見えてきたのが『土』(自然)との共生を目指す世界観ということなのかもしれない。
テレビを見て、河合さんの著作を読みかえし、世界を席巻しているかにも見える[アメリカンスタンダードに基づくグローバリゼーション]というものが、いかに『地球にとって優し』く“ない”かを改めて知る思いがした。
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聖書によると地球には創造者がいること、創造者は目的をもって地球を創造されたことが次のように記されている。
「天の創造者、まことの神、地を形造られた方、それをいたずらに創造せず、人が住むために形造られた方、エホバはこのように言われた・・・」イザヤ45章18節
“人の住みか”として与えられたとはいえ、それは人間の利己心を満たす場所ではない。人間は地球を創造者から委託されているというのが聖書の教えである。人間は委託物である地球とその上にある動植物を正しく管理する責任があるが、今日見るように、存亡の危機に陥れてしまった。ヨハネの黙示録には、次のような予言も記されてある。
「地を破滅させている者たちを破滅にいたらせる定められた時が到来しました」ヨハネの黙示録(啓示)11章18節
嬉しいことに、破滅に至るのは地球ではない。
『地球新世紀』(TBS放映)を検索して~ここへ来ました。
「マヤの栄枯盛衰」を語っていた 安田 喜憲教授の著作が 目からウロコで 面白いです。
ダヴィンチコードのように
環境と文明の世界史―人類史20万年の興亡を環境史から学ぶ (新書)
石 弘之 (著), 湯浅 赳男 (著), 安田 喜憲 (著)
大河文明の誕生 (単行本)
安田 喜憲 (著), 梅原 猛 (著), 河合 隼雄 (著)
「古代日本のルーツ 長江文明の謎」 (新書)
安田 喜憲 (著)
>人間だけがなぜ自然から切れようとする傾向を持っているのかはわからない。
↑わからないものが、きっとわかると思います。
by あずき (2007-05-14 14:26)
あずき様
参考図書のご紹介感謝申し上げます。
こんど見つけて読んでみます。
by 環虚洞 (2007-05-14 19:05)