SSブログ

アインシュタインの予言:孫引き注意! [ニュース・宗教]

「アインシュタインの予言」なるものを聞いたことはおありだろうか?

「神に感謝する。我々に日本という尊い国をつくっておいてくれたことを」といったくだりのある文章なのだそうだ。

 

世界の偉人たちが贈る日本賛辞の至言33撰 ネットや書籍で広まっているらしいのだが・・・

相対性理論のアインシュタイン博士のモノとされる、日本を賛美する言葉は、実は、博士のものではナイ!ということだ。

 

東京大学教授中澤英雄氏が、出典が常にアイマイであり、かつ、博士の思想とも合致しないので、疑問に思い、調査して得た結論であるということだ。

 

調査によると・・

「アインシュタイン」のことばとして出てくる書籍で最も古いのは1956年の本。

 

さらに「アインシュタインの予言」に“よく似た文章”が出てくるのは、昭和3年の田中智学の本。

『日本とは如何なる国ぞ』

 

田中智学は『国柱会』という日蓮宗の宗教団体の創設者。

戦時中の日本の国体思想に大きな影響を及ぼした人物である。

(因みに『国柱会』の熱心な信者の一人に宮沢賢治がいる。)

ソノ田中智学の本に、明治憲法の成立に大きな影響を及ぼしたシュタイン博士の言葉として出てくるのだそうだが、田中がコノ言葉を知る元となったローレンツ・フォン・シュタインの講義録を調べてもソノヨウナ言葉はなく・・・・、中澤教授は、田中が、自分の思想に、シュタインの名を用い、ことよせて書いた可能性が高い・・と結論されたということだ。

 

そのシュタインが、孫引きされるうちに、いつの間にか「アイン」がついてしまったらしい。

 

伝言ゲームのようなハナシだ。

 

誠実ではあっても、ウッカリすると根拠の全く無い情報を垂れ流してしまう可能性がある。ご本人の意向と全くことなること(実際にはウソ)を流布することになりかねない。ネットでも広まっているということであるので、「アインシュタインの予言」のみならず、ナンデアレ出典のアイマイなものには要注意である。

 

(因みに、当記事は、asahi.com 2006年06月07日11時06分配信記事に基づくものです。googleで「アインシュタインと日本」をキーワードに検索しますと、中澤教授の文章も見ることができます。)

また、『ごま書房』刊の上記イメージ書籍の中に引用されているアインシュタインの予言について・・・、東海大教授でアインシュタイン研究者の板垣良一氏は「この言葉はアインシュタインのものではないと断言できる。彼はキリスト教徒でもユダヤ教徒でもなく、『神』にこだわらない人だった。日記や文献を詳しく調べてきたが、彼が天皇制について述べた記録はない」と話している。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。