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病抱えながら75歳で日本百高山踏破、経験を本に 九大名誉教授 [スポーツなぞ]

病抱えながら75歳で日本百高山踏破、経験を本に 九大名誉教授
https://news.yahoo.co.jp/articles/a123e5e35b1fef65fea28f92eca04ef5fd462c70

日本百高山の完全単独踏破 (文芸社セレクション)

日本百高山の完全単独踏破 (文芸社セレクション)

  • 作者: 真木 太一
  • 出版社/メーカー: 文芸社
  • 発売日: 2023/06/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


すごいと言えばすごいのだけれども、ちょっと間違えれば遭難死するだろう。サポートする仲間がいると安心だ。

記事を読んで、「高齢者の星」と呼ばれた医師で登山家:脇坂順一久留米大学名誉教授を思い出した。


「高齢者の星」と呼ばれた医師で登山家、死去
https://imidas.jp/hotkeyperson/detail/P-00-309-03-04.html


七十歳はまだ青春―スーパーおじいちゃんクライマー、世界の山ある記

七十歳はまだ青春―スーパーおじいちゃんクライマー、世界の山ある記

  • 作者: 脇坂 順一
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2023/06/27
  • メディア: 単行本



八十歳はまだ現役―モンブランで傘寿を祝ったスーパーおじいちゃん山行記

八十歳はまだ現役―モンブランで傘寿を祝ったスーパーおじいちゃん山行記

  • 作者: 脇坂 順一
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 2023/06/27
  • メディア: 単行本


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前代未聞の誓約書 白鵬に相撲協会の不信感あらわ [スポーツなぞ]

前代未聞の誓約書 白鵬に相撲協会の不信感あらわ
9/30(木) 20:27配信 産経新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/55d80c760a235c11f929326e8c2edab5b5162982

《30日の白鵬の年寄襲名は前代未聞の事態だ。白鵬が親方になるために日本相撲協会が求めたのは、先輩の指導に従い、相撲界の習わしを守っていくという誓約書の提出。土俵内外で品格を問われ続けた白鵬に対し、協会が抱く不信感と危機感があらわになった形だ。(上記記事から)》


日本の国技、伝統を重んじる相撲協会が、歴代第一の優勝を誇る横綱に対する対応が以上である。いわば、異常事態である。

もし白鵬が、日本で生まれ、日本で育ち、日本語を身に着け、日本の文化がカラダに入っている日本人であれば、「誓約書」はもとより必用なかったろう。

もっとも、日本で生まれ、日本で育ち、日本語を身に着けても、日本の文化がカラダに入っていナイ皇室の御方もいて、非難轟轟でも「わたくし」を貫く時代であるから、モンゴル出身の白鵬に「誓約書」は無理のない話とも言える。

白鵬も連勝記録では及ばなかった横綱 双葉山のことを回顧して「どこ(の世界)にもっていっても大丈夫な人物」と評されているのを読んだことがある。もちろん、実際の双葉山の人品を知るかたの言葉である。そういう、安心感、信頼感を否応なく感じさせられるところが双葉山にはあったのだろう。

そこにいくと、「誓約書」がないと親方にさせない・なれないなどというのは、いかに白鵬が人品において信用されていないかが分かる。相撲取りとしての力量は協会として認めざるを得ないが、親方の器では到底ナイと感じているということである。

とりもなおさず、その「誓約書」に署名することは、相撲協会にとって自身が秩序を乱す可能性の高い不穏分子であることを、認めるようなものともいえる。

親方といえば、年寄り格であるが、大人ではなく、子ども扱いし・されていることになる。

皇室といい、相撲界といい、おかしな時代になったものである。

常陸山、双葉山ら先達の鋭意努力をダメにして・・・
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2010-07-08

ハルマフジ 礼儀 日本文化 双葉山
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2017-12-02


横綱の品格―常陸山と大相撲の隆盛

横綱の品格―常陸山と大相撲の隆盛

  • 作者: 風見 明
  • 出版社/メーカー: 雄山閣
  • 発売日: 2021/10/01
  • メディア: 単行本



新版 横綱の品格

新版 横綱の品格

  • 作者: 双葉山 時津風 定次
  • 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
  • 発売日: 2018/03/05
  • メディア: 単行本


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共通テーマ:日記・雑感

大谷翔平とベーブルース コリン・カワード熱く語る [スポーツなぞ]

大谷君とベーブルースについて熱く語るおじさん。

コリン・カワードという有名な方なのだそうだ。

自分のことではないが、嬉しく、誇らしい気分である。

2006年にガウス賞を受けた伊藤清先生が、ノーベル賞受賞者のマイロン・ショールズやマートン・ミラーから「金融工学を支える偉大な『巨人』のひとり」と評されているのを聞いたときの気分だ。
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2006-08-23-1


【大谷翔平】【日本語翻訳】「大谷は、ベイブ・ルースと比較にもならない」コリン・カワードが大谷を語る!
2,296,448 viewsJul 16, 2021
https://www.youtube.com/watch?v=JoYiS1Sygjw

20:37現在、日本語翻訳版の再生回数は2,296,448、

下の原(英語)版は108,175。

Shohei Ohtani vs. Babe Ruth & Team USA’s back-to-back losses — Colin | THE HERD
108,175 viewsJul 14, 2021
https://www.youtube.com/watch?v=ck5-X0WUsMM&t=0s

Colin Cowherd
From Wikipedia, the free encyclopedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Colin_Cowherd


【大谷翔平】【日本語翻訳】「大谷はやべぇ、100年に1人の逸材」超一流メジャーリーガーが大谷翔平を語る!
941,385 viewsJul 15, 2021
https://www.youtube.com/watch?v=aMFtV49rpWE


Newsweek (ニューズウィーク日本版)2021年10/12号[アメリカが愛した大谷翔平]

Newsweek (ニューズウィーク日本版)2021年10/12号[アメリカが愛した大谷翔平]

  • 出版社/メーカー: CCCメディアハウス
  • 発売日: 2021/10/05
  • メディア: 雑誌




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大谷よりすごい多刀流選手 [スポーツなぞ]

「大谷よりすごい多刀流選手」という見出し記事。大谷とはもちろん大谷翔平のことだろう。それよりすごい多刀流とは誰だろうと興味がわいた。
https://www.sankei.com/article/20210805-QUUUBQPWHFNRVBSWEEMCEK42QE/?outputType=theme_tokyo2020

記事をみると、ジム・ソープという選手のことだという。陸上『十種競技』のオリンピック、ゴールドメダリストのことらしい。

かつて陸上競技をおこない『十種競技』に憧れをもっていたはずだが、記憶にない。

それで、ジム・ソープを調べると、『笹川スポーツ財団』の記事がでている。
ジム・ソープ 最高のアスリートの悲劇
【オリンピック・パラリンピック アスリート物語】
https://www.ssf.or.jp/ssf_eyes/history/olympic_athlete/05.html

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』にも出ている。
ジム・ソープ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%97


Fighting to Reinstate an Indigenous Athlete's Olympic Titles
https://www.youtube.com/watch?v=mR8balqTlao

すごい人はいるものである。


混成競技 (最新陸上競技入門シリーズ)

混成競技 (最新陸上競技入門シリーズ)

  • 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
  • 発売日: 2021/08/06
  • メディア: 単行本




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自転車 | 女子 個人ロードレース | 東京オリンピック [スポーツなぞ]

【NHK】計算通り?数学者がまさかの金メダル獲得! | 自転車 | 女子 個人ロードレース | 東京オリンピック
https://www.youtube.com/watch?v=9aVB78M0uiE&list=PLcynJ47QaWNvX2VjkHqSn_Pq5_vcK3QX8&index=17

【金子・與那嶺 出場】自転車ロードレース 女子個人ロードレース 決勝
https://sports.nhk.or.jp/olympic/highlights/content/ff13d17f-68e9-4748-9781-8a24a8a1c83a/?cid=dchk-yt-0729-olypara

優勝したのは、初出場のアナ・キーゼンホファー(30=オーストリア)。ケンブリッジで数学の修士号を取った女子が金メダルも取った。もしかするとケンブリッジ大Trinity Hall 数学主任:時枝正先生からチョコレートをもらった一人かもしれない。
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2017-03-31

他の出場者はチームとして出る者、プロもいるのに、単独出場での快挙。名前のとおり大アナの優勝。

自己管理がたいへんだったようだ。

自転車ロード女王は数学博士 競技歴7年のノーマークの30歳アマ
[2021年7月26日8時11分]
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/road-cycling/news/202107260000173.html

<東京オリンピック(五輪):自転車>◇25日◇女子ロードレース◇武蔵野の森公園〜富士スピードウェイ◇137キロ(パレードラン含まず)

初出場のアナ・キーゼンホファー(30=オーストリア)が3時間52分45秒で制した。連覇を狙ったファンデルブレーヘン(オランダ)は15位だった。

◇  ◇  ◇

数学博士が金メダルをつかんだ。キーゼンホファーは、英ケンブリッジ大などで数学を学び、現在も大学で研究を続ける異色の経歴を持つ。「奇跡は信じないで基本に忠実にトレーニングしてきた。素晴らしいレース」と喜んだ。

誰も予想しなかった勝利だった。137キロの長丁場だったが、スタートから約2キロで「アグレッシブに行きたかった」と飛び出した。後方の集団には複数の優勝候補を抱えたオランダ勢らがいたが終始リードを保ち、最後の約40キロは数人の追従者も振り切り独走した。

ウィーン工科大を卒業後、英国やスペインの大学で学び博士号を取得。現在はスイスの大学で研究を続け、学生への指導も行っている。

競技を始めたのは2014年で、五輪初出場。昨年の世界選手権は44位、今年は国内選手権6位と、全くノーマークの存在だった。「私はアマチュア。栄養、器具、レースプランなど全てを自分で管理しないといけないが、それが誇りでもある」と胸を張った。

研究もあってプロの選手と同じようには練習できない環境だ。それでも「収入は全て自転車に費やす」と言い「五輪を目指したこの1年半はいろんな犠牲を払ってきた」と実感を込めた。日本でのレースを「富士山がきれいだった」と振り返り「自信がついた。これからも研究と自転車を続ける」と笑顔を見せた。(共同)


ただマイヨ・ジョーヌのためでなく

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2000/08/25
  • メディア: 単行本


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伊良部秀輝が亡くなって10年 [スポーツなぞ]

天国へ旅立ち10年…伊良部秀輝さんを改めてリスペクトする
https://www.tokyo-sports.co.jp/baseball/npb/3474850/

の記事を見た。そこに掲載された伊良部の笑顔がたいへんイイ。

その笑顔がピュアで、こちらも思わず反応して、すなおに笑顔になれる人物は信用していいように思っている。

当方は、伊良部の死の報道に接したときの、イチローの反応がいちばん記憶に残っている。偉大な選手だと伊良部を高く評価していたのを覚えている。

ワールドシリーズに優勝し、日本人で初めてチャンピオンリングを獲得したのも伊良部だと聞いている。


上記記事を見た関係で、伊良部のドキュメンタリー番組を見ることとなった。伊良部という人物を知るいい番組に思う。

伊良部秀輝 球童1
https://www.youtube.com/watch?v=gftNwjjWf-c

伊良部秀輝 球童2
https://www.dailymotion.com/video/x34tfx3


一途で、ひたむきで、野球が大好きで、いつも高みを目ざしていた・・・

ドキュメンタリーを見ながら選手生命を脅かすマスコミの怖さとオールド・ルーキーの活躍を描いたドラマを思い出した。

The Final Homerun - The Natural (8/8) Movie CLIP (1984) HD
https://www.youtube.com/watch?v=i94ldGNNSQ0


ナチュラル 35周年アニバーサリー・エディション 4K ULTRA HD [4K ULTRA HD] [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  • 発売日: 2019/07/03
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ナチュラル 原題=汚れた白球―自然の大器 (角川文庫)

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  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • メディア: 単行本




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4:古い映画と最近のドラマに見る身体の動き  [スポーツなぞ]

先日、当該ブログに「日本文化の粋は江戸時代・・」と高岡英夫氏が記していると書いた。そう書きながら、「そうは言っても、古刀のほうが新刀より丈夫でよく切れるという話しもある・・」という思いが浮かんだ。

古刀とは、江戸時代より前に鍛えられた刀を指す。新刀は、徳川の平和の影響もあり、実用品というより装飾美術品になってしまった。

Wikipediaの『日本刀』の項目をみると、鎌倉時代《日本刀の黄金期を迎えた[14]。21世紀時点で日本刀は100件以上が国宝に指定されているが、そのうちの8割が鎌倉時代の刀剣で7割が太刀である》とある。

であれば、江戸時代より前もバカにはならないということである。実用品として日本刀が生きていた時代、日本人の身体の動きもそれに応じたものであったと考えられる。そう言えば、飯篠家直、塚原卜伝、上泉伊勢守など名だたる名人上手は江戸より前、室町、戦国時代の人である。

剣豪人物一覧
https://japan.fandom.com/wiki/%E5%89%A3%E8%B1%AA%E4%BA%BA%E7%89%A9%E4%B8%80%E8%A6%A7


などと、考えていたら、面白いビデオがあった。

元寇を圧倒的戦力で退けた世界最強の鎌倉武士団|小名木善行
https://www.youtube.com/watch?v=Xh7D5_5lwK8

小名木善行氏の動画は以前にも視聴している。少々「うさんくさく」思いながら見た記憶がある。そういう気分を当方は誰(の話し)に対しても持つべきであるように自戒している。そう思いつつ、今回も面白く視聴した。

動画『明治150年 真の日本の姿(1~6)』を視聴 
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2020-11-06

ここのところ読んでいる長大な小説がある。陳舜臣著『チンギス・ハーンの一族』である。世界を席巻する一大帝国を築いたモンゴル人の家族への興味から読み始めた。

チンギス・ハーンの一族 1 草原の覇者 (集英社文庫)

チンギス・ハーンの一族 1 草原の覇者 (集英社文庫)

  • 作者: 陳舜臣
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2000/05/19
  • メディア: 文庫



チンギスの孫フビライのつくった「元」が日本に攻めてくる。元寇である。それを「退けた」のは「神風」ということになっているが、小名木氏は「鎌倉武士団」の働きについて述べる。しかも、鎌倉武士団は「世界最強」であるという。

周辺諸国を席巻する一大強国を「退けた」日本人の話は確かにかっこいい。

小名木氏は、自分の動画サイトのキーフレーズを「日本をかっこよく」としている。その話しは啓発的であるし、話しぶりは「講談」なみにオモシロイが、鵜吞みにしては危うい。氏自身、仮説は仮説であるとして話してくれてはいるが、聞く方も、仮説は仮説として聴く必要がある。


ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀

ねずさんの世界に誇る覚醒と繁栄を解く日本書紀

  • 作者: 小名木善行
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2021/04/27
  • メディア: Kindle版




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3:古い映画と最近のドラマに見る身体の動き [スポーツなぞ]

1943年製作、成瀬巳喜男監督映画『歌行燈』を見て、思うことがある。「拍子」のことだ。

泉鏡花原作・成瀬巳喜男監督『歌行燈』
https://www.youtube.com/watch?v=gEgfZ7Ixvsc

宗家よりも名人上手であるかのように思いあがった盲人を、喜多八がこらしめる場面がある。謡をうたう合間に膝をポンポンと鼓のように叩く。それで、その鼻っ柱をへし折るという場面だ。
17:02~21:20

結局、そのことを聞き知った父親(師匠)から喜多八は勘当されてしまうのだが、そのときのことを喜多八が説明する場面がある。25:10~27:50

それを聞いていたひとりが言う。
「拍子ひとつでそのような目に会わせることができますので・・」

喜多八が答える。
「恩地代々相伝の修行。武士の生き死にもおんなじことです

青空文庫の『歌行燈』(二十一)からその部分を抜粋すると次のようになる。

(以下、抜粋)

「……この膝を丁(ちょう)と叩いて、黙って二ツ三ツ拍子を取ると、この拍子が尋常(ただん)じゃない。……親なり師匠の叔父きの膝に、小児(こども)の時から、抱かれて習った相伝だ。対手(あいて)の節の隙間を切って、伸縮(のびちぢみ)を緊しめつ、緩めつ、声の重味を刎上(はねあげ)て、咽喉(のど)の呼吸を突崩す。寸法を知らず、間拍子の分らない、まんざらの素人は、盲目聾(めくらつんぼ)で気にはしないが、ちと商売人の端くれで、いささか心得のある対手(あいて)だと、トンと一つ打たれただけで、もう声が引掛(ひっかか)って、節が不状(ぶざま)に蹴躓(けつまず)く。三味線の間(あい)も同一(おんなじ)だ。ー略ー。

 さすがに心得のある奴だけ、商売人にぴたりと一ツ、拍子で声を押伏(おっぷせ)られると、張った調子が直ぐにたるんだ。思えば余計な若気の過失(あやまち)、こっちは畜生の浅猿(あさましさ)だが、対手(あいて)は素人の悲しさだ。

 あわれや宗山。見る内に、額にたらたらと衝(つ)と汗を流し、死声(しにごえ)を振絞ると、頤(あご)から胸へ膏(あぶら)を絞った……あのその大きな唇が海鼠(なまこ)を干したように乾いて来て、舌が硬(こわ)って呼吸(いき)が発奮(はず)む。わなわなと震える手で、畳を掴つかむように、うたいながら猪口(ちょこ)を拾おうとする処、ものの本をまだ一枚とうたわぬ前(さき)、ピシリとそこへ高拍子を打込んだのが、下腹(したっぱら)へ響いて、ドン底から節が抜けたものらしい。
 はっと火のような呼吸(いき)を吐く、トタンに真俯向(まうつむけ)に突伏(つッぷ)す時、長々と舌を吐いて、犬のように畳を嘗(な)めた。
***抜粋ここまで***

しかし、喜多八が「武士の生き死にもおんなじことです」と答えるところは鏡花の原文にはない。

当方は、能の仕舞と武道の類縁性について聞いている。また、東北地方の剣舞(けんばい)が、祭を装って闘いに備える武術の稽古そのものであったようにも聞いている。

そのように考えるときに、スポーツにおける拍子と呼吸の関係について考慮できるように思う。

黒澤明の「三船敏郎」評から(その「動き」について)
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2015-08-16

「呼吸だ」
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2017-07-12

などと、考えて「拍子」について検索をかけていたら、宮本武蔵が『五輪の書』で論じているという。直接言及されていないにせよ、鏡花はそのことを知っていて『歌行燈』を書いていたかもしれない。

日本古典文学摘集 五輪書 地の巻 九一兵法の拍子の事
https://www.koten.net/gorin/yaku/109/

武蔵の結論「敵のリズムを崩せば勝ったも同然」
PRESIDENT 2007年8月13日号 長尾 剛
https://president.jp/articles/-/2016


五輪書 (岩波文庫)

五輪書 (岩波文庫)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1985/02/18
  • メディア: 文庫




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2:古い映画と最近のドラマに見る身体の動き [スポーツなぞ]

映画・ドラマに見る日本人の身体運動能力について先の更新で記した。

日本人の身体運動能力は、どんどん劣化しているようである。

ちょうどオリンピック開催中である。驚くべきパフォーマンスをみることもできる。大リーグで活躍する日本人選手もいる。しかし、それはほんの一部、一握りにすぎない。全体を見渡す時に、総じてダメになっている。

高岡英夫という人物がいる。東大を出て、先生をしていた。『身体調整の人間学』には、明治大学教授の斎藤孝氏が東京大学(院)在学時、その指導をしたことが記されている。その後、野に下って「運動科学総合研究所」を設立した。多くの著作をものしているが、「ゆる体操」の先生というと、一番わかりやすいにちがいない。

身体感覚を取り戻す 腰・ハラ文化の再生 (NHKブックス)

身体感覚を取り戻す 腰・ハラ文化の再生 (NHKブックス)

  • 作者: 斎藤 孝
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2000/08/31
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



1995年、書店で高岡英夫の著作『意識のかたち』を手にした。身体意識の本だった。驚愕した。書籍巻末の紹介を見て、出版社に電話をし、5冊ほど他の著作を取り寄せた。ビデオ(当時VHS)も所持して見るようになった。


意識のかたち

意識のかたち

  • 作者: 高岡 英夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1995/09/19
  • メディア: 単行本



高岡氏によると、江戸時代が日本文化の粋で、身体能力もその頃が最高であったという。

橋本聖子が現役のころ、あまりに力に頼った動きをしているので、もっとゆるんだ動きをするよう指導しようとアプローチしたが、断られたのでセカンドプッシュしなかったという話しも書いてあったと思う。

筋力の増強などによる、チカラだけでは到達できない世界に入る方法が示されている。

自分が関わり影響を及ぼした人を、自著のなかで「弟子」と呼び、「学術的」と称して独自概念を多用するために、鼻持ちならない怪しげな人物であるかのように見做されたりもしているようだが、その論議は考慮に値する。食わず嫌いはもったいない。


究極の身体 (講談社+α文庫)

究極の身体 (講談社+α文庫)

  • 作者: 高岡 英夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/08/20
  • メディア: 文庫




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古い映画と最近のドラマに見る身体の動き [スポーツなぞ]

「古い映画と最近のドラマに見る身体」などと大そうなタイトルをつけた。

古い映画とは戦争(前・中)直後頃まで、最近とはそれ以降2000年頃までを指す。なぜ「最近」を2000年頃に限るかというと、その頃までのドラマを対象に考えるからである。端的にいえば、それ以降も同様だろうが、当方がろくに見ていないというだけの話しである。二つに分けたうえで、それらの時期の映画・ドラマに登場する俳優たちの身体の動きについて書こうというわけである。

どうして、そんなことを書こうと思ったか、比較しようと思ったかというと、あんまりにも最近のソレがひどい(酷い)からである。

最近とくに、そう感じたのは、名前をだすのは気の毒だが、出さないと話しにならないので、仕方がない。当人にも、ファンの皆さんにも、その点、申し訳ないが、その人とは、田中裕子である。

ただ、ここで個人名をだすが、田中裕子にかぎらず、みんなそうなっていると思ってまちがいない。なぜなら、着物をふだん日常的に着る文化は絶えてしまい、それにともない身のこなし自体ちがってしまっているからである。

そして、「ひどい」という当方のもちいる表現や、そう感じる感じ方自体にもモンダイありかもしれない。「ちがう」というのと違って、「ひどい」には主観的な評価がからんでくる。

だから、ほんとうは、戦争(前・中)直後までと最近とでは(着物文化が生きていたときと、そうでない「今」とでは)身体の動きにちがいがでているとだけ書けばいいのかもしれない。

だから、「田中裕子」は、ひとつの符丁であって、着物文化にナイ日本人代表と思ってもらえばいい。

まず、そのように感じたのは、向田ドラマ『麗子の足』での田中裕子の動きだ。『麗子の足』は日本人特有の身体の変形が、そのタイトルとなっている。有名な岸田劉生の『麗子』の足指の描写が、下駄をはくために変形していることに注意が向けられている。そのドラマのなかでの、田中裕子の着物をきての動きはヘンである。(『麗子の足』1:05:30~1:06:35) 酔って千鳥足になっていることを演じているのだから、へんな歩きなるのは当然といえば当然だ。が、しかし、それにしても、バタつきすぎる。
https://www.youtube.com/watch?v=hFJ6ZQ0WuL4

『女正月』37:57~38:35 ここでは、小林薫を平手で打ったのちに、田中裕子が走りだす場面がある。下駄を履いているので、草履での動きよりも動きがヘンになりやすいとは言うものの、ここでも足がはねあがっていて、動きが美しくない。
https://www.youtube.com/watch?v=4c_WeKz8cjk&t=4143s


それに反し、戦争(前・中)直後の映画に登場する俳優たちの動きをみるとほれぼれする。

たとえば、田中絹代である。

『或る女』の田中絹代 22:10~ 走りだすシーン
https://www.youtube.com/watch?v=9-LaitU1q6c&t=2725s

『お加代の覚悟』全編に見る田中絹代 (日本舞踊)
https://www.youtube.com/watch?v=eBwLVEulGhM

たとえば、『暖流』の水戸光子 1:50:10~
https://www.youtube.com/watch?v=g0f1eV2tjck

たとえば、『南の風』の高峰三枝子 階段をあがるシーン
17:00~ 
https://www.youtube.com/watch?v=sen1MH5RTzA&t=1100s

たとえば、『歌行燈』全編に見る山田五十鈴
21:40~22:15 
https://www.youtube.com/watch?v=gEgfZ7Ixvsc

上記、『お加代の覚悟』で、田中絹代は日本舞踊を披露している。当方は美しいと思うが、他の方はどう評価するかと検索をかけたら、嬉しい記事に出くわした。俳優の山田真歩が、《私の日本舞踊ビギニングス「なんなんだ、この歩き方は」》と題して、田中絹代について書いている。引用すると長くなるので、関心ある方は、直接その記事を見ていただきたい。要するに、田中絹代の歩く姿を見たのが日本舞踊をはじめた動機であるという話しだが、たいへん魅力的に書いている。
https://www.pintscope.com/column/yamada-maho-12/


お遊さま [DVD]

お遊さま [DVD]

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店
  • 発売日: 2017/03/24
  • メディア: DVD



宮本武蔵 全8巻合本完全版

宮本武蔵 全8巻合本完全版

  • 作者: 吉川英治
  • 出版社/メーカー: 宮本武蔵研究会
  • 発売日: 2015/02/15
  • メディア: Kindle版

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馬術80歳法華津寛は「2度目の東京五輪」ならず 選考基準を満たせず [スポーツなぞ]

馬術80歳法華津寛は「2度目の東京五輪」ならず 選考基準を満たせずという記事タイトルを見て、すぐさま、

「であれば、『補欠』で出してあげたら・・」

という思いが湧いた。

しかし、その程度のことは、だれも思いつくようで、

ウィキペディアの「法華津寛」の項を見ると
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E8%8F%AF%E6%B4%A5%E5%AF%9B

35歳のときに目の衰えを感じたため、同じく乗馬をする妻から馬場馬術を薦められて転向し[4]、1984年に開催されたロサンゼルスオリンピックは遂に名実共に「ホケツ(補欠)」になってしまい、出場できなかった。

と、ある。

それにしても、すばらしい老人である。そのチャレンジ精神は賞賛すべきである。

奥様(翻訳家の北條元子)は、北条誠の娘にあたるという。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E6%A2%9D%E5%85%83%E5%AD%90


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第97回箱根駅伝中継を聞く [スポーツなぞ]

第97回箱根駅伝中継をラジオで聞いた。復路10区に入ってからである。

創価大と駒澤大の勝負というので、「日蓮正宗と曹洞宗の争いか・・」という冗談めいた思いが湧いた。

中学時代に駅伝を走った経験がある。だから、選手の気持ちを経験のない人より少しは想像できる。つまり、思いやりを示すことができようかと思う。

「駅伝」で思いだすこと
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2013-01-03

経験したのはアンカーだった。それもあって、往路であれば山登り、復路であれば10区に興味がわく。

早稲田にはながく世話になったこともあって(大学在学したのではなく、早稲田に居たというだけだが、それでも)早大への思い入れは強い。箱根の時期になるたびに、臙脂色のタスキをかけて山登りがしたかったと思う。

という当方も、今はジジイの一歩手前になって、股関節痛で走ることができない。昨日の中継を聞いていても、ただ「若いとはイイことだ・・」という気持ちでいっぱいである。

駒大アンカーは、昨年ツライ思いをした。早大に7位争いで負けている。1秒差で、順位を落とした。そうした、悔しい経験が次につながったということのようだ。

第96回箱根駅伝 復路10区 1位〜10位までの通過シーン&ゴールまでの大接戦シーンhttps://www.youtube.com/watch?v=7b97s5N7Rno
(12分20秒から駒大・早大「大接戦シーン」+創価大9着シーン14分37秒)

第97回箱根駅伝 駒澤大学感動の逆転勝ちゴールシーン
https://www.youtube.com/watch?v=vb0yjgVqMZM


なぜ箱根駅伝アンカーでの駒大“大逆転ドラマ”が起きたのか?名将「不思議な勝ち方を…」 1/4(月) 5:30配信 https://news.yahoo.co.jp/articles/f2b2998762a424c39d22026566f15d77fe040f9e?page=1
箱根駅伝 2021 完全ガイド 出場21チーム有力選手写真名鑑&戦力分析 (陸上競技マガジン2021年1月号増刊)

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あまりに細かすぎる箱根駅伝ガイド! 2021 (ぴあ MOOK)

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〈「西田哲学」スポーツで探る〉を読んで・・ [スポーツなぞ]

『朝日新聞』(12・15)に、以下の鼎談が掲載された。

「西田哲学」スポーツで探る 朝原宣治さん、山極寿一さん、上原麻有子さん
https://www.asahi.com/articles/DA3S14730906.html

鼎談の中では、「敵」・「味方」と表現されているが、昨日更新した映画『或る女』の登場人物たちを思い出しながら読んだ。そこに示された人と人との関係を想起したのだ。

田中絹代主演 監督 澁谷実『或る女』1942年を見る
https://bookend.blog.ss-blog.jp/2020-12-14

特に司会者の「敵が自分を高めるとの考え方は、他の領域、たとえば今の時期では受験生にも当てはまるのでしょうか」という問いかけに対して答えた部分だ。

世に住む人々を、無理にでも2つに分けようとすれば〈「敵」「味方」〉、〈「いやな(いけ好かない)ヤツ」「いいヤツ」〉という分け方もできる。そう分けて「排斥」したり「絶縁」したりという方策をとることなく生きていたのが、映画中の人間たちであろう。要するに、鼎談中にある「間(あいだ)」を大切に生きていたのかもしれない。

そんなことをぼんやり考えながら読んだ。

(以下は、上記記事の引用)

**************

今年、哲学者で京都帝国大教授を務めた西田幾多郎(1870~1945)の生誕150年を迎えた。難解で知られる西田哲学を現代の事例でとらえ直そうと、北京五輪メダリストの朝原宣治さん(大阪ガス)、ゴリラ研究で知られる前京大総長の山極寿一さん、西田哲学が専門で京大教授の上原麻有子さんに、スポーツや身体を切り口に語ってもらった。

西田幾多郎(解説文)いまの石川県で生まれ、1910年に京都帝国大学文科大学の助教授に。11年に『善の研究』を出版。同書は、主観によって客観をとらえる西洋哲学に対し、主観と客観とに分かれる前の「無」のような精神状態を「純粋経験」と説くなどして、話題を呼んだ。西田の影響で、京都には田辺元や三木清ら優秀な哲学者らが集まり、「京都学派」と呼ばれるようになった。

ーー朝原さんは2008年北京五輪の陸上男子400㍍リレーでアンカー。どんな心境でしたか。

朝原 その時走った100㍍の記憶は、ほとんどない。集中し、我を忘れて走る状態をよくアスリートが「ゾーンに入った」と言うが、そんな感じだった。僕には昨日と今日の自分が細胞レベルで同じか分からないという不安があり、練習後に「今日の感覚メモ」を書いて翌日に引き継ぎ、成果を高めようとしてきた。でも、あの時は自分が進んでいる感覚がなかった。不安も気負いも意識せず、勝手に走り出す状態だった。

ーーゴール後、バトンを放ったのが印象的でした。

朝原 ふつうは、今は60㍍地点を走っているとか、100分の1秒差でも勝ち負けはだいたい分かる。でも北京五輪ではゴール後すぐには勝敗が分からず、電光掲示板で確認した。3着(注・後に2位に繰り上げに)と分かり、わーっとなってバトンを投げた。前日はプレッシャーで押しつぶされそうだった。でも、最後の最後はもう、自分がコントロールできることなんてほぼなくて、もう「諦め」のような心境だった。「必ずメダルを取る」という強い意志が消えてしまうほど没頭していた。

上原 朝原さんの経験は、西田が言う「純粋経験」に当てはまる。西田は『善の研究』で純粋経験を「例えば一生懸命に断岸を攀ずる場合の如き、音楽家が熟練した曲を奏する時の如き」と説明した。何も考えることがない。環境と一体になっている。よじ登るしかない。そんな経験だ。朝原さんにとっては、強靭な意志で努力を積み上げて到達した頂点のような瞬間の状態のことだろう。その時にすばらしい結果が出る。西田は「動物の本能的動作にも必ずかくの如き精神状態が伴うて居るのであろう」とも言っている。

山極 僕はゴリラなどの動物と付き合っているから、よう分かる。身体は自然に属し、自然は言葉では言い切れない。西洋哲学では、人間を、頭で考えて身体を動かす中枢神経系の動物だと考えてきた。デカルトのいう「我思う、ゆえに我あり」のように。しかし、頭で意識せずに体が反応するプロセスがある気がする。自然界では過去と同じことは絶対に起こらないが、経験値が身体化されていれば対応できる。

朝原 100㍍走は8人で走るが、真ん中のレーンが走りやすい。なぜなのだろうか。

山極 一緒に走る選手は競走相手であり、仲間でもある。チームワークの作り方と似ている気がする。

朝原 8人をチームと考えれば、レベルの高い選手といると自分のレベルも高まるのかもしれない。

上原 西田も、世界や環境の中から自分が出てくると考えた。人間個人を「創造的要素」ととらえ、個人はばらばらにおかれた存在でなく、有機的におかれていると強調した。ライバルから受け取ったものを自分の中にインプットし、アウトプットする。スプリンターはそうして好記録を出しているのだろう。

ーー敵が自分を高めるとの考え方は、他の領域、たとえば今の時期では受験生にも当てはまるのでしょうか。

山極 確かに受験勉強でもライバルに勝つことは重要だが、一緒に競った相手は仲間でもある。会社もそう。皆がライバルであり、目的に向かってタッグを組む仲間だ。敵、味方の二元論でなく、両方をうまく利用する「間(あいだ)」の思想が東洋哲学にはあり、西田もそこを強調したのだと思う。

上原 西田はそうした関係性を「弁証法的」と言った。相互に試行錯誤し合う関係のことだ。いい方向にばかり行くのでなく、失敗や悪いこともたくさんあるが、それを是正して、次のいい方向に持っていく関係性を、私たちは生きていく限り営まないといけない。

西田の議論は抽象的かつ難解で、研究者にも分からない点が多いと言われる。朝原さんの経験談を聞くことで、逆に西田哲学が照らされたと思う。(構成・小林正典)

以下、当方未読

幕末明治 移行期の思想と文化

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  • 出版社/メーカー: 勉誠出版
  • 発売日: 2016/05/17
  • メディア: 単行本




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ノムさんの追悼番組を見た [スポーツなぞ]

当方、野球ファンではない。

ただ、身体能力への関心から、特定の選手を見てきた。


究極の身体 (講談社+α文庫)

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  • 作者: 高岡 英夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/08/20
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ただ、そういうのとは別に、ファンにちかいような気持で見てきた野球人を一人だけあげるとすれば、野村克也監督だ。選手時代はまったく知らない。監督になってから、テレビで采配をふるう姿、ぼやく姿を見て、好ましく思ってきた。ラジオでのインタビューを録音したこともある。

ユーチューブで、その追悼プログラムをいくつか見た。

やはり身近に接した方の話にはこころ打たれる。


追悼 野村克也さん、ありがとう! 落合博満さんが語る「野村克也さんとの出会い、秘話」落合さんの目にも涙・・
https://www.youtube.com/watch?v=ElanNlA4ewM


#野村監督との思い出(新庄剛志が語る)
https://www.youtube.com/watch?v=N_75u2Tf-L0

以下、当方未読

「問いかけ」からすべてはじまる (詩想社新書)

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  • 作者: 野村克也
  • 出版社/メーカー: 詩想社
  • 発売日: 2020/08/07
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大坂なおみの勝因(モハメド・アリ、G・フォアマンとの絡みで) [スポーツなぞ]

当方は、テニスをほとんど見ない。今回の全米オープンも見ていない。ただ報道された大坂なおみの黒いマスク姿を見た。そこには白抜きで名前が記されてあった。それを見て、勝因はこれだなと思った。決勝までのゲーム数7回分のマスクが用意されていたという。それに名前が記されて、死亡時いちばん若かった男の子(12歳)の名前が決勝に用いられたような話を聞いた。
https://blogos.com/article/484465/


だいぶ前になるが、ジョージ・フォアマンの『奪還』という番組を見た。フォアマンは、コンゴのキンシャサで開催されたヘビー級タイトルマッチで、モハメッド・アリに敗れてタイトルを失い、その後引退し、某教会の伝道師になっていたが、再戦を決意する。そのタイトル戦で、アリの言う(だけでなく、誰が見てもボクサーとしての)「old man」が、タイトルを奪還する。

そのドキュメンタリーがNHKで放映された『奪還』だ。その番組のなかで、アリがフォアマンに勝利した理由が語られた。語ったのはフォアマンだ。当時のフォアマンは、猛獣よろしく相手に襲いかかった。その恐ろしさたるや最強時のマイク・タイソンをしのぐように思う。その猛攻を耐えに耐え、ロープを利用してしのぎにしのいで(試合として見ていてはオモシロイものではなかったと思うが)最終的に、疲れ果てたフォアマンをアリはノックアウトした。

フォアマンは、「何故アリはキンシャサで、あなたの殺人的パンチに耐えられたのか」という問いに、答えている。「その時、アリには耐えられるだけの理由があった。死ぬだけの理由があったのだ」。(『奪還』)

モハメド・アリには「リング外での闘い」があった。そのことが、「ウィキペディア」に記されている。
1960年に勃発し、のちにアメリカが本格参戦したベトナム戦争への徴兵を拒否したことから、彼は無敗のままWBA WBC統一世界ヘビー級王座を剥奪され、3年7か月間ブランクを作ったが、復帰後、実力で王座奪還を果たした。また露骨な黒人差別を温存するアメリカ社会に批判的な言動を繰り返した。その後公民権運動などの貢献が称えられ、ドイツの平和賞「オットー・ハーン平和メダル」を受賞。

フォアマン戦についてアリは後にこう語ったという。
自分が負けることは全世界の虐げられた人々が負けることと同じであり、絶対に負けるわけにはいかなかったのだ。(『奪還』)

自分のためだけに戦うのはモチベーションが低い。それが「全世界の虐げられた人々」のため、あるいは「露骨な黒人差別を温存するアメリカ社会」にプロテストするためともなれば、意識は非常に高まる。ちいさい自我は消滅する。命を懸けることができる。「死ぬだけの理由」ができる。

今回の、大坂なおみの優勝にも、個人を超えた戦いをしたことが、勝因となったのではないかと思うのである。亡くなった(不当に殺された)方々にとっては、いわゆる「弔い合戦」となったであろうし、いま生きている方々にとっては、黒人全体を代表してその生きる権利を正当に扱うようプロテストする戦いになった。

もっとも、どれほど意識が高くても実力が伴わなければ、優勝どころか一勝もありえない。もともと優勝レベルの実力のあるところに、非常に気高い意識が伴った。大坂は、それを自分だけで納得してゲームに臨むというのでなく、その意識をもって戦うことを黒いマスクで公に表明した。背負ったモノが彼女を後押しした。黒いマスクが火を噴いた。

いきおい力も増し加わるというわけである。


ユーチューブに『奪還』がアップされている。フォアマンがアリに敗れて自我を破壊され、プエルトリコで神秘体験をして伝道師になったいきさつ、再びヘビー級チャンピオンを目指した理由など語られる。インタビューに受け答えするフォアマンに、ボクサーの顔はない。おだやかで笑顔の魅力的な人物がいるだけである。パーキンソン病のモハメド・アリも登場する。番組全体の構成に預かり、ナレーターをつとめているのは、ノンフィクション作家の沢木耕太郎氏である。

奪還 ~ジョージ・フォアマン45歳の挑戦~
https://www.youtube.com/watch?v=uDKqT6XLpIA

(以下、当方未読)

かつて白い海で戦ったー沢木耕太郎ノンフィクションV

かつて白い海で戦ったー沢木耕太郎ノンフィクションV

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2003/09/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




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