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ウクライナ侵攻の根拠に 宗教(ロシア通 佐藤優氏の記事から)

ロシアのウクライナ侵攻に関して、ロシア通の佐藤優氏の記事を読んだ。

「プーチンは狂人でもナショナリストでもない」 佐藤優が読み解く「暴君」の“本当の狙い”
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/03060559/?all=1&page=1

侵攻の根拠については識者がいろいろと論じているが、佐藤氏は宗教(ロシア正教)に言及している点が、興味深い。

以下、上記記事からの抜粋

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 プーチンの中には独自の価値基準があって、その中に善と悪がある。これに照らした時、ウクライナがNATOに加盟しようとしたこと、またゼレンスキーが大統領になる前の出来事ですが、19年1月にキエフ府主教がモスクワ総主教庁から独立し、イスタンブールの総主教に帰属したことも、看過できない悪であると映ったわけです。

ロシアの最終目標は

 無神論を掲げたソ連のKGBに勤めたプーチンは、今ではロシア正教の信仰を受け入れています。彼にとって正教は、ロシアに不可欠なアイデンティティーの一つであり、これを擁護することを義務だと捉えている。そのためには軍事力を持ち出してでも「悪」の出現を食い止めなければ、という立場にあるのです。

 今回の軍事行動は、ロシアと事を構えない融和政権がウクライナで樹立されるまで続くでしょう。現在ウクライナの軍事施設は壊滅的な被害を受けており、これを再建できないようにした上で、マッカーサーが戦後日本で行ったように、自衛のための軍隊だけを認める。それらが達成されたのち、ロシアは手を引くのではないかと思われます。

 実効支配していた「ドネツク」「ルガンスク」の両人民共和国は、それぞれが位置する州全体を支配することになるでしょうが、ロシアが占領するとしてもこの2州にとどまり、全土には及びません。あくまでロシアに迎合した政権が「自発的」に誕生するのを待つのではないでしょうか。

デイリー新潮編集部

週刊新潮 2022年3月10日号掲載

緊急寄稿「佐藤優が読み解く『皇帝の頭の中』 野望に燃える『プーチン』本当の狙いとは――」より


週刊新潮 2022年3月10日号[雑誌]

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  • 作者: 週刊新潮編集部
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