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森友問題、安倍首相の“監督”責任が問われる [政治・雑感なぞ]

話がまわりくどくなるが、お許しいただきたい。

むかしグロリア・インターナショナルという会社の百科事典があった。その表示はなかったように思うが、実質上は『アメリカーナ百科事典』であったろうと思う。英文である。

叔父の友人がアメリカ留学の費用の足しにしたいというので、人助けと思って3万円で購入したと親が言っていた。50年も前の話である。のちのち当方に読ませるつもりであったらしい。小学生の頃だから、当然ながら読めない。ぱらぱらめくって、写真を見る程度である。

それでも、驚いたことがあった。大統領の項目をみると、必ずある特徴があった。なにかというと、大統領本人だけでなく、夫人の写真も掲載されていたことだ。それも、該当項目の幾ページもあるなかに、夫人の写真が出ている、というのではなく、「リンカーン」の項目を見るなら、その冒頭に、大統領と夫人が二人並んで、掲載されている。二人で一緒にではなく、それぞれが同じ大きさの楕円の枠に入れられている。正面を向いた上半身が、カメオのブローチのような枠に入って、横にふたつ並んでいた。それは他の大統領の項目を見ても、同じだった。

アメリカとはこういうものなんだ・・と、へんに納得した覚えがある。

ずっと後になって、聖書を学び始めて、「夫婦は一体」という考えがあることを知った。妻は、夫を「補うもの」であり、「助け手」であるという表現もある。人間の最初の夫婦はアダムとエバであると聖書にはあるが、アダムが自分の妻に出会ったときの記述には 「これこそついにわたしの骨の骨、わたしの肉の肉、これは“女”と呼ばれよう。男から取られたのだから」という詩的表現の後、次のような説明的記述がつづく 「それゆえに、男はその父と母を離れて自分の妻に固く付き、“ふたりは一体”となるのである(創世記2:18、24)」。


たいへん話が迂遠になったが、森友学園モンダイで安倍首相夫人の果たした役割のことを考える。事の真偽は、よくわからない。よくわからないが、公私の問題や政治・宗教的中立の問題を問われるなどして、夫の政治生命をも奪いかねないキワドイところに顔を出していたということ自体が、そもそもモンダイなのではないかと思う。フランスのル・モンド誌は、森友学園を、「日本で最初で唯一の神道小学校」と紹介しているという話である。そして、ご自身は、一国の内閣総理大臣(特別職・国家公務員)夫人、ファーストレディーである。

「書く」ということ・・村上春樹 チャンドラー、松本清張 吉川英次、アラン、ヴェイユ、スタンダール
http://bookend.blog.so-net.ne.jp/2017-03-18


たいへんわかりやすく、他に説明などいらないと思うので、あえて比較してみたいと思うが、美智子妃殿下・皇后であれば、同じ行動を取ったであろうか・・。言うまでもないように思う。

(そもそも立場がチガウとお叱りを受けるかもしれないが、夫をもち、夫同様に社会的影響力があるという点では一緒であると思う)。


今、『ファースト・レディ』を(ウィキペディアで)調べたらオモシロイことが出ていた。アメリカの大統領夫人たちについて次のようにあった。(以下、オレンジ色文字は『ウィキペディア』からの引用)。

では「世界最強の男」といわれるアメリカ大統領の夫人はどうなのかというと、その一貫して控えめな姿勢は意外なほどで、政治に容喙するようなファーストレディはこれまでほとんど存在しなかった。

「控えめな姿勢」は、聖書的な背景・教養から出ているように当方は思う。なぜなら、聖書では、 「すべての男の頭はキリストであり、女の頭は男であり・・(コリント第一11:3)」とあって、家族のなかで指導的立場にあるべきは男性・夫であることが示されている。

そして、『ウィキペディア』のそれに続く部分が、さらにオモシロイ。なぜか、というと、最近読んだ『国際法』に関する本のなかで、下記大統領は、「人類を劣化させ、国際法を破壊し」「人類を野蛮な中世に回帰させた」大統領として紹介されていたからだ。ウッドロウ・ウィルソン大統領のことである。

唯一の例外がウッドロウ・ウィルソン大統領夫人のイーディスである。第一次世界大戦の戦後処理や国際連盟の設立などに奔走していたウィルソン大統領は、1919年9月25日に過労で倒れ、さらに10月2日には脳梗塞を発症した。この結果、ウィルソン大統領には左半身不随や左側視野欠損、言語症などの障害が残ってしまい、実質的な執務不能状態に陥った。しかし大統領府は大統領の執務不能という事態を秘匿し、副大統領や議会関係者を一切ホワイトハウスに近づけさせず、以後長期にわたってイーディスがすべての国政を決裁した[8]。こうした事実が明らかになったのは実にウィルソンの死後になってからのことで、これが後の大統領権限継承順位を明文化した憲法修正第25条制定への伏線となった

『国際法で読み解く世界史の真実(PHP新書)』の中で、「ウィルソンの悪事については『嘘だらけの日米近現代史』(当方未読)という本で取り上げているとも記されていた。その数々の「悪事」の背後には、「政治に容喙する」妻イーディスの影響があったのかもしれない。


話を元に戻す。

男性(夫)の“家族の中で”の責任について先に記したが、ある男性が“クリスチャンのグループの中で”指導的な役割を与えられるためには、資格を満たしている必要があることが聖書中に示されてある。その一つが自分の家族に対するものだ。次のようにある。 「監督は、とがめられるところのない人で、・・・自分の家の者をりっぱに治め、まじめさを尽くして子供を従わせている人であるべきです。(実際、自分の家の者を治めることも知らない人であれば、どのようにして神の会衆:クリスチャンのグループを世話するのでしょうか。)テモテ第一3:2、4、5

と、ある。そこで、最後に質問を提起したい・・

安倍首相は、果たして、自分の家の者(昭恵夫人)を「りっぱに治め」、「従わせ」、監督していたのだろうか?


国際法で読み解く世界史の真実 (PHP新書)

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嘘だらけの日米近現代史 (扶桑社新書)

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